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徳丸浩の日記


2009年03月28日

_IPAは脆弱性の呼び方を統一して欲しい

昨日の日記で、安全なウェブサイトの作り方セキュア・プログラミング講座とでは使っている用語が異なることを指摘した。
違いを理解いただくために、簡単に一覧表にまとめてみた。

安全なウェブサイトの作り方 セキュア・プログラミング講座
SQL インジェクション SQL注入
OS コマンド・インジェクション コマンド注入攻撃
パス名パラメータの未チェック/ディレクトリ・トラバーサル ディレクトリトラバーサル攻撃
セッションIDの固定化 セッションIDお膳立て
クロスサイト・スクリプティング スクリプト注入(XSS)
CSRF(クロスサイト・リクエスト・フォージェリ) リクエスト強要(CSRF)
HTTPレスポンス分割とキャッシュ汚染 HTTPレスポンスによるキャッシュ偽造
メールの第三者中継 メールの第三者中継
アクセス制御や認可制御の欠落 ユーザ認証(本人認証)とアクセス認可

黄色に塗ったところが用語が異なる部分だ。安全なウェブサイトの作り方が概ね世間で使用されている用語に従っているのに対して、セキュア・プログラミング講座の方は独自用語を用いる傾向にある。私見としては、この種の用語はむやみに発明せずに、一般に使用されている用語に従うのがよいと考えているが、せめてIPAで発刊するコンテンツの中では用語を統一していだきたい。技術的に正確な議論をするには、まず正しい用語を使うことが出発点であるし、IPAには正しい用語の統一に関して、指導的な立場を期待されていると考える。

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_ とおりすがり (2009年03月28日 16:05)

IPAが公募で丸投げしているからなんじゃないでしょうか?
作ったところが違うから用語も違うと。
IPAが用語辞書を作った上で、公募するといいのかもしれませんね。

_ 徳丸 浩 (2009年03月29日 11:30)

とおりすがりさん、コメントありがとうございます。
確かに、この旧版はセントラルコンピュータサービスが委託されていますが、新版はIPAが作成しているのではないでしょうか。
IPAの中の人のブログに以下のようなコメントがありました。

https://www.codeblog.org/blog/Miyakawa/20070629.html#p02
できる限り、大和言葉を使うように心がけましたが、どうしてもカタカナが残ってしまいます。それでも分かりやすくなったと自負しています。
また、必ずしもクロスサイトな状況に限らず攻撃される可能性がある脆弱性については、修飾しないようにしました。これによって用語が短くなりました。

つまり、確信犯というか、意識して新しい言葉を作っていることがわかります。であれば、安全なウェブサイトの作り方第3版(2008年3月)の方で用語を合わせることもできたと思います。



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