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HTML

 HTML(Hyper Text Markup Language)はWWWの記述言語として考案された。マークアップとは、テキストに目印(マーク)をつけることにより文章の構造を表現することを指す。つまりHTMLとは、その名の示すとおり、テキストに目印を埋め込むことにより、WWWのハイパーテキスト(具体的にはリンク)を表現するものである。

 HTMLはテキストファイルであり、比較的シンプルな構造なので、HTML専用ツールの他普通のテキストエディタ(Windowsのメモ帳やMacintoshのTeachText他)などでも作成することができる。このシンプルさがHTML、ひいてはWWWが世の中に広く受け入れられた理由の一つである。

 HTMLの具体例を見てみよう。

<HTML>
<HEADER>
<TITLE>ドイツバロック音楽の3S</TITLE>
</HEADER>
<BODY>
 <A HREF="../baroque-Germany.html">ドイツ初期バロック音楽</A>
の「3S」と呼ばれる偉大な3人の音楽家がいた。すなわち、
<A HREF="shuetz.html">シュッツ</A>、
<A HREF="shein.html">シャイン</A>、
<A HREF="sheit.html">シャイト</A>である。
なかでもシュッツは、当時音楽後進国だったドイツを一挙に一流国の水準に引き上げ、またドイツ語のイントネーションを音楽のリズムの推進力に活かす工夫を発明した。この二点により、シュッツは「ドイツ音楽の父」と呼ぶにふさわしい音楽家である。
</BODY>
</HTML>

 <>で囲まれた部分を「HTMLタグ」といい、HTMLの命令と考えてよい。また、</XXX>は、<XXX>タグの終了を意味する。上記に出てくるHTMLタグの意味は、以下の如し。

<HTML> HTMLドキュメントの開始
<HEADER> ヘッダーセクションの開始
<TITLE> タイトルの開始 (Netscape NavigatorやInternet Explorerでは、 タイトルバーに表示される)
<BODY> HTML文書の本体(中身の開始)
<A HREF="XXX"> リンクの開始(AはAnchorの略) HREF=XXXXはリンク先のファイル名(UNIX風表記)や URL(インターネットアドレス)を示す。

 HTMLタグには非常に多くの種類があるが、基本は上記に示したものであり、その外には絵(画像イメージ)や動画や音声などのマルチメディア、文字飾りや表やフレームなどの飾りの部分である。JavaやActiveXドキュメントも然り。
 HTMLはWWWの普及にしたがって段階的にバージョンアップしており、最新の仕様はHTML3.2[*1]、現在HTML4.0の仕様策定中である。また、世の中には非常に多くのWWWブラウザがあり、対応しているHTMLのバージョンも製品ごとに異なる。このため、ブラウザは、理解できないHTMLタグは単に読み飛ばすというルールになっている。このルールのおかげで、世界中の多くのブラウザにより、細かな表現の差はあるものの、HTMLバージョンの違いを超えてWWWコンテンツ(内容)が表示できることになる。


[*1] 今日の用語では3.3と説明したが、3.2の誤りでした

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