インターネット

 インターネットを一言で定義すると、世界中のコンピュータをつないだ巨大なWAN である、となる。実質的には通信プロトコルとしてTCP/IPがもっぱら使われる[*1][*2]

 つまり、インターネットは突き詰めればTCP/IPネットワークをルータ接続したWAN であるから、インターネットではTCP/IPで動くアプリケーションはすべて利用できることになる。 しかし、主にセキュリティ上の理由から、現実にインターネットで動かすアプリケーション はさほど多くない。主なものは以下の三つである。

 この中でも、newsの利用者は比較的少ないから、インターネットの代表的サービス はメールとWWWであると断言してしまおう。特に、インターネットが有名になったのはWWW のおかげであるから、今でもWWW=インターネットと思っている人は少なくない。

 歴史的には、インターネットは元々軍事目的でスタートしたが、そのネットワーク に大学や研究所などが参加して大きくなり、今では商用や個人の利用者が多くなっている。

 基幹となるネットワークも、昔は学術機関や大手企業の研究所などが互いに専用線 を引き合う形で繋いでいた。一昔前まで、インターネットに繋ぐというのは、近くの適当 な大学などを探して、そこまでの専用線を繋がせてもらうことだった。

 しかし現在では、インターネットの「線」を握っているのは専門の業者 (インターネットプロバイダー)である。従って大学などへのコネがなくても、 お金さえ出せば金額に見合うだけの回線を引いてもらうことができる。これは極 めて公平なルールであり、インターネットが特別な人たちのものではなく、皆 のものになった一因もここにある。

 前述のように、インターネット上ではメールやWWW以外にも、TCP/IP上で 動くアプリが利用できる。WindowsNTのファイル共有をインターネット上でやっ てもいい理屈だが、そんなことをすると、全世界のクラッカーから、たちまち侵入さ れるかもしれない(だから、普通はこんなことはしない)。

 ロータスノーツのように、セキュリティのしっかりしたシステムなら、 インターネット上で使ってもさほど心配はない。現に、インターネットを利用して、 ノーツのレプリカを更新することは、比較的ポピュラーな技であるらしい。 解説書も出ている。

 インターネット関連の用語が数多く出てきたが、それらに対する説明は 別稿にて行うことにしよう。

[*1]

TCP/IPのIPとは、Internet Protocolの略であり、 文字どおりインターネット用のプロトコルということになる。
   
[*2] 昔はUUCPというプロトコルが使われていたが、 現在ではUUCPはあまり使われなくなった。UUCPはUNIXのファイルコピーの プロトコルであり、メールやニュースの配信には使用できるが、UUCP上では WWWが使用できない。インターネットと言えばWWWという現在にあっては、 UUCPには魅力がないことになる。

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