このページではコンパイラ関連の書籍を紹介します。このページの書籍は、Amazon.co.jpのアソシエイトプログラムを利用しており、amazon.co.jpにて即座に購入することができます。

JAVA バーチャルマシン
Jon Meyer, Troy Downing著、鷲見 豊 訳/編著
価格(税別): ¥5,200
発行 オライリージャパン ; ISBN: 490090063X
 本書は、タイトルの通りJava仮想マシン(VM)についての詳しい解説書です。

1章 JavaVMチュートリアル
2章 JavaVMトピックス
3章 インストラクションガイド
4章 クラスファイルリファレンス
5章 インストラクションリファレンス

 目次が示すように、VMの入門に始まり、.classファイルの詳細、全VMの命令(オペコード)の詳細説明に至っています。
 Javaについてその中身まで詳しく知りたい人や、Javaライクな言語処理系を開発したい人にとっては必見の書でしょう。 この手の情報は、他の書物ではなかなか得られないだけに貴重な書籍(特に日本語訳のあるものとしては)ですが、 あいにく入手が難しくなってきているようです。 興味のある方は今のうちに入手された方がよろしいかと思います。
 なお、訳書は「アセンブラやマシン語の知識のない普通のJavaプログラマがJavaVMをマスターすることによって 普通のJavaアプリケーション開発および保守技術をスキルアップするための本」として、原書Java Virtual Machineに 対して大幅に追加、変更されているそうですが、それでもインプリメンタとして読んで意味深い内容であることには 変わらないと思います。
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JavaScript第3版
David Rlanagan著、村上 列 監訳、安藤 進、垰井 正雄 訳
価格(税別): ¥4,200
発行 オライリージャパン ; ISBN: 4873110270
 当ホームページのJavaScriptに関する記述は、本書を主な情報ソースとして利用しています。
 JavaScriptを扱った書籍は非常に数が多いものの、正確な内容の書籍は少ないようです。本書は数少ない例外であり、非常に正確な記述となっています。JavaScriptを単なるWWWページの飾りではなく、その本質を詳しく知りたいものにとって、本書は必読書と言えます。さすがはオライリーと言いたくなる一冊です。
 特に、JavaScriptにおける変数の取り扱い(すべてがプロパティ、すなわち連想配列)であるという説明には、瞠目させられました。本書を読んだことが、「オブジェクト指向言語としてのJavaScript」を書くきっかけになりました。
 旧版は二分冊でプログラミング編とリファレンス編に別れていましたが、第三版からはリファレンスがCD-ROMとして添付され、一冊にまとめられた結果、トータルの価格もお安くなりました。また、上級者のみならず初心者にもお勧めです。筆者の勤務先では、一冊を奪い合うようにして使っています。

第5版の翻訳が出ました

David Rlanagan著、村上 列 訳
価格(税別): ¥4,410
発行 オライリージャパン ; ISBN: 4873113296
発売日: 2007/8/14
 これまた圧倒的な名著の名訳です。JavaScriptを使うもの全ての方が持っておくべき本だと思います。非常に高度な内容を分かりやすく説明していて、テクニカルな解説のお手本としても使えそうです。3版ではCD-ROMになっていたリファレンスは、
JavaScriptクイックリファレンス 第5版―JavaScript1.5対応として分冊になりました。



プログラミング言語処理系 岩波講座 ソフトウェア科学〈5〉
佐々 政孝(著)
価格(税別): ¥4,800
岩波書店 ; ISBN: 4000103458
 岩波のソフトウェア科学講座シリーズはどれも読みやすいのですが、本書も大変高度な内容を分かりやすく解説してくれていてお勧めの一冊といえます。著者の佐々氏はコンパイラの研究者で、意味解析の生成系rieの開発者だけあって、生成系(コンパイラ-コンパイラ)に関する話題など、実践的な内容が豊富です。いわゆるドラゴンブックに進む前に読む本として適当でしょう。
 入手が難しいという情報もありましたが、Amazonでは一応アベイラブルなようなので、チャレンジしてみられると良いでしょう。

 2001/07/13追記:アマゾンアソシエイツプログラムのレポートによると、7/11現在で、当サイトから本書を8人の方が注文され、4人の方の手元に届いているようです。やはり、入荷までには時間が掛かっているようですが、今ならまだ間に合うという感じですね。
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アルゴリズムとデータ構造 岩波講座 ソフトウェア科学〈3〉
価格(税別): ¥3,900
岩波書店 ; ISBN: 4000103431
 同じく岩波のソフトウェア科学講座シリーズの一冊です。本書は一般的なアルゴリズムの教科書と同様に、計算量の理論から始まって、サーチ、ソートと続く手堅い構成になっています(下記参照)。

1.アルゴリズムと計算量
2.探索
3.整列
4.グラフのアルゴリズム
5.文字列のアルゴリズム
6.難しい問題
7.さまざまなアルゴリズム

本書の真髄の一端に触れるために、クイックソートの解説の一部を紹介しよう。まずはp161から、

 通常行われるクイックソートのプログラムは、微妙なトリックを含んだ精巧なものである。これをそのまま議論したのでは難解になるので、ここではまず比較的簡明な方法を示し、計算量の検討を行なう。クイックソートの原理はこれで把握できるはずである。その後で、高速化や記憶域の節約のためのさまざまな工夫を紹介し、クイックソートの決定版とでも言うべきプログラムを最後に示す。

次に、p168から

(e)分割の高速化
 ここまでで、クイックソートの基本的な考え方と計算量が理解できたと思う。しかし、これだけではクイックソートの真髄に触れたとは言えない。クイックソートが最高速のアルゴリズムだと言われるのは、単純な形のループを使って、分割を高速化する手段が知られているからである。この手法について次に述べる。

最後に、p173から。これでとどめです

(f)誤ったプログラムの例
 プログラム3.3.5は非常に巧妙にできているだけに、少し変更してもうまく動かなくなる。いわば危険なプログラムだと言える。次に三つほど誤った例を示す

 ここまでの紹介から分かるように、説明が非常に丁寧で、わかりやすいところが本書の特徴です。現実に、マイクロソフトのQUICK BASICに添付されていたクイックソートのサンプルプログラムが間違っていたことがあるくらいですから、本書の内容はプログラマ必読といえましょう(笑)。
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Last update: '2001年07月12日